セクハラ、パワハラ当たり前の昔の職場

 昭和57年に新入社員としてサラリーマンを開始したが、当時の職場ではまだセクハラとかパワハラという言葉は存在しなかった。若い女性が職場に配属されると、年配の男性社員はなれなれしく近づいて肩に手を回して「今日は綺麗だね」なんて事を耳元でささやくのはざらだった。また一杯飲みの席では、新入社員の女性は必ず男性ばかりの職場に呼ばれ、お酒をお酌することを強要された。また酔っぱらってくるとおじさん社員は若い女性社員の膝に手を乗せてさりげなく触ったりしたものだ。一方ある程度社会経験年数の多い女性社員はそういう男性社員の言動をよく理解していて、うまくかわしたり軽くお説教をかましたりしていた。半ばセクハラも酒席の余興の一環になっていたように思う。ある時うぶな女性社員が男性社員に触られて泣き出した事があった。さすがに上司もまずいと思ったのかその場で女性社員は家に帰らされたが、男性社員も上司から軽い訓告を受ける程度だった。またセクハラと同様パワハラもひどいものだった。私が入社した頃は職場の課長さん同士が朝のミーティングで大げんかをしてヘルメットを飛ばすのを見るのもざらにあった。また部下への指導と称して皆の前で大声で怒る上司もよく見た。最初は仕事の仕方について厳しく指導していたものが、段々とエスカレートして阿保、ボケ、カスと人間性を侮辱するような怒り方をするに至ってはさすがに聞く方もつらく感じたものだった。しかしながら昭和の終わりから平成に入り、コンプライアンスが徹底されるようになるとこういう指導は激減したが、それでも個室でびしびし指導する上司には何度も出会った。

昔は当たり前だったセクハラ、パワハラ

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