グローバルスタンダードについて

 私の担当する製品のように世界中で使用される工業用素材はグローバルスタンダードというルールに支配されていた。これは簡単に言うと「世界的に使われる製品は世界のどこでも共通の基準に沿ったものでなければならない」というルールである。例えば食品であれば、「毒性のある物質の含有比率が何%以下でなければいけない」といった基準が設けられる。ところが不思議なことにこのルールを定めるのはほとんどが欧米特に欧州の国であった。昔から欧州はこのルールづくりが大好きで、新たなルールを作ると、次にその委員会(通常コミッティーといった言葉で表される場合が多い)が立ち上がる。そしてその委員会の権威を高めるような仕組みを作る。新たにグローバルスタンダード取得に参加する国はまずこの欧州の委員会に加入する所から始まる。そして「やくざのみかじめ料」のようなものでこの委員会に属していることを誓う定期的な加入料を払い続けるということになる。この仕組みはうまくしたもので、一旦グローバル企業がこの仕組みに入り始めると、その会社は自分の会社の納入業者にも同様の仕組みに入ることを求めるようになる。何故ならそのスタンダードには「自分たちの会社に納入される製品や部材に立ちしても同様な基準を満たすことが求められる」と規定しているからだ。こうしてこの「やくざのみかじめ料」を伴う悪の負の連鎖が世界を席巻していく。こうした仕組みで私の時代に最も有名であったのはISOというルールで、この欧米の罠で泣いた人も多かった。

国際基準という名目でEUから暴利を貪られた

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