好きなJazzスタンダード3「サテンドール」

 デューク・エリントンはその楽団で数々の名曲を残している。特にホーンセクションを使った迫力ある演奏が有名だが、一方では繊細で美しい曲も取り上げている。そういた曲の中に「サテンドール」という曲がある。この曲も他の名曲と同様典型的なⅡ度―Ⅴ度の組み合わせを使った美しい曲となっている。実は私は昔からホテルのバーなどで演奏しているミュージシャンにリクエストすることがあるが、その際にはこのサテンドールをリクエストすることが多い。その理由は曲がハ長調でとっつき易いという点と、Ⅱ度―Ⅴ度進行なので転調さえ覚えていれば自然と演奏できてしまうという点から、リクエストされる側の人も比較的容易に受け入れることができると思うからだ。勿論作曲者のこのデューク・エリントンのサテンドールは素晴らしいが、色々な小コンボで演奏しているものの中にも素晴らしいものがある。私が特に好きなのはジョー・パスというジャズギタリストとオスカー・ピーターソンというピアニストがカルテット形式で演奏しているものである。ジョー・パスはとにかくコード進行を次から次へと並べていくまるで「和音の魔術師」とも言えるようなギターの弾き方をする(よくプロのミュージシャンがこの和音の嵐みたいな演奏を「ジャズギターのお手本」という表現をするが、正直私にはどこがお手本なのかわからず、ただ驚異のテクニックに脱帽してしまう)このサテンドールというのは直訳は「サテンのお人形」ということになるが、実際は当時の売れっ子の娼婦の愛称であったようで、曲調と実際の対象物が何か裏腹でアイロニックな扱いがされているなと思ってしまう。

ジョー・パスの演奏するサテンドールにぶっ飛んだ

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