好きなJazzスタンダード4「朝日の如くさわやかに」

 この曲がジャズの名曲かどうかは私の私見が強いと思うが、曲のタイトルがとてもジャズっぽくて好きな曲である。この曲は1920年代という昔に作曲された曲だ。当時はタンゴ調で演奏されていたようだが、その後スイング楽団が取り上げ、さらにMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)が取り上げることによって一気にジャズの曲として有名になることになった。私が学生時代にこの曲を演奏していた頃、バンドマスターのベーシストがいつもお洒落なイントロを弾いておりそれでこの曲が好きになってしまった。曲調的には短調のメロディーが続き、途中サビの部分から長調になり、そして短調のメロディーに戻るという曲だが、そういう意味で曲のメリハリがわかり易く、ジャズをやり始めの私としては、印象が強くまた心地よく演奏ができたというところだ。またこの曲の原曲名であるSoftly as in the morning sunriseというタイトルが良い。ジャズというのは何となく夜の音楽という気がするが、その夜を越えて朝日が見えてくる頃になるとやさしい気分になるという私の感覚と合っている。そしてこの曲を特に愛するようになったのはソニー・クラークというピアニストがピアノトリオで作ったアルバムに収められているこの曲を聞いてからだ。ピアニストによっては少しリバーブを入れた音色を好む人もいるが、ソニー・クラークはリバーブを一切使わず朴訥とした音色で弾いている。そのフレーズは美しいというよりむしろ心の叫びのような重さがあり、おそらくこのピアニストは職人のように金儲けに走らず自由奔放なアドリブの世界に生きていたのだろうなという気がする。

Blue Noteで最もカラフルなソニークラークトリオのレコードジャケット

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