会社は誰のもの?

 2000年代に入って「会社は誰のものか?」という議論がされるようになってきた。私は会社に入って以来会社は社員のためのものだと考えてきたが、別の角度から見ると全く違う意見があることを知るようになった。まず会社は多くの社員を抱えており、社員は会社から労働の対価として給料をもらっている。社員はその給料で家庭や生活を維持するのに必要な費用をまかなっている。そういう意味で私のように会社に働くものは会社がまず社員第一で考えてほしいと思っていた。しかしこの考えを覆すような言葉が出てきた。それは「利害関係者」という言葉だった。基本的に会社は利害関係者のためのものであるというのが欧米をはじめとした大手グローバル企業の考えだったからである。勿論社員もこの利害関係者の一人であり、私がずっと思っていたことが外れていたわけではない。しかし会社は公器と呼ばれるように様々な利害関係者との付き合いでもって成り立っている。まず会社を取り巻く地域(近隣や工場の周辺の行政など)は代表的な利害関係者で、地域の協力なしに企業活動はできないし、また地域も企業が地域に落としてくれる税金で種々の行政活動を行うことができる。また客先も重要な利害関係者で、客先は我々が作り出す製品なしには彼らの事業活動ができないし、我々は客先が対価として支払ってくれるお金で事業活動を継続することができる。さらに昨今は株主を最大の利害関係者と呼ぶ人もいる。株主は我々の事業の将来に期待をして株を買ってくれる。我々はこの株の価値を上げることで会社と個々の事業の価値を上げることになる。特にこの点は定年して肌で感じるようになった。

会社は多くの利害関係者が関わっている

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