駅ピアノ

 駅ピアノという番組がNHKのBSなどで放映されている。昨今世界各国の鉄道駅などには誰もが自由に演奏できるピアノが置かれている。そしてアマチュアの腕自慢のピアニストがそのピアノに座って黙々と演奏している。NHKBSでは演奏する人々にインタビューを行い、何故ピアノを弾くようになったのかの質問をしたり、ピアノを通じてのその人の人生への影響を聞いていた。そうした人々の心を映すような駅ピアノだが、最近はこの駅で演奏した内容をYouTubeなどのSNSでアップロードする人が増えてきている。その人たちはさすがに多くの人にアピールできるくらいのすごい技量を持っていて下手をすると一流のプロや音楽家にひけを取らないのではないかと思うような演奏を聞かせてくれる。YouTubeで知られている駅ピアノ上がりのミュージシャンとしては「よみい」や「はらみちゃん」などが有名で多くのプロミュージシャンと共演もしているし、高い実力が評価され、各地の演奏ホールで本格的なリサイタルを開いている。しかしそこまでくると何か元々駅に置かれた「誰でも弾けるピアノ」の概念からは遠ざかって、「上手くないと弾けない駅ピアノ」になっているのは何か残念な気がする。個人的な話をするが、私は全くピアノは弾けず左手で1拍に1回コードを弾いて右手で拙いソロを弾くのが精一杯だ。そんな私が初めて米国に一人旅した時、田舎のバーで置いてあったピアノをポロリポロリ弾いたら誰かが拍手してくれたがこういうのが原点と思ってしまう。欧州にいた時もオランダ北部の駅に帰ってくると駅ピアノを見たが、今はもう弾けないと躊躇してしまった。

昔は気楽に弾けた駅ピアノだが、今は上手く弾けないと・・・

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