好きなJazz Blues1「Tenor madness」
ブルースという音楽は学生時代からやってきた音楽でなじみが深い。そういう意味でジャズブルースの中にも素敵な曲が一杯ある。ジャズブルースの中にはよく練られたテーマの曲もあるがどちらかというとその場の思い付きでぱっと作った曲も多いような気がする。チャーリー・パーカーの名曲として知られている「Now the Time」などという曲はその名の通り「ほな今からやろか?」みたいな曲だが、これがまたチャーリー・パーカーらしいメロディーで良い感じだ。そういう中で私が好きなジャズブルースの一つに「Tenor Madness」という曲がある。この曲は昔なかやぶのバンドで一緒に演奏したこともある。この曲はMadnessというぐらいで、トップサックスプレイヤーがこれでもかというぐらい吹きまくるという点にカッコよさがある。有名な演奏はソニー・ロリンズカルテットにジョン・コルトレーンが参加した演奏で、ソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンという当時最高峰のテナーサックス奏者が吹きまくる。とにかく「相手に負けまい」とかあるいは「やりあがったな。ならこれはどうや?」みたいな掛け合いがすごい。私のような平凡な型にはまったソロしか弾けないような者にとって、彼らの演奏は大変ためになった。そうかこういう展開でソロを弾く方法もあるのかと思ってしまった。いつもギタリストの演奏をコピーしてきたが、改めてサックス奏法の自由度の高さに魅了された演奏でもあった。考えてみればギターは転調に強い楽器だが、転調を「縦の動き」と考えると、サックスはフレーズの選び方で言わば「横?の動き」に強い楽器のような気もする。

1960年代のテナーサックスの名手2人が吹きまくるテナーマッドネス