バンドマンに気軽に話しかけられるようになった
最近になってまたライブハウスに出かけるようになった。若い頃ミュージシャンを気取っていた頃とは違い、完全にオーディエンスとして出かけるライブハウスは気持ちも楽でどんな音の出会いがあるのかわくわくどきどきしながら見に行けた。若い頃のようにギラギラした目で演奏家の音を聴いて「今のフレーズはちょっとイモやったな。俺ならあそこで少しためて弾くで。」とか心の中で思いながら座っていた自分を思い出すにつれ昔は真に音楽を楽しめていなかったように思う。最近はともかく楽しい顔をして演奏を聴いているのだろう、演奏が一段落した時にミュージシャンの人が最前列で聴いている私に声をかけてくれる事がある。「少し音が大きくてうるさくなかったですか?」とか「結構乗ってられたみたいですが、何か演奏されてたんですか?」など聞かれる。名古屋のあるライブハウスではベースの演奏が好きで2度も同じバンドの演奏を聴きにいったが、昔京都でよく聴いていたバンドマンの話なんかをしてみると「ああ何度か一緒にやりましたが、最近は見なくなったね」などと返答があった。昔は演奏家のほとんどは私より年上で少ししゃべりにくい思いがあったが、今は見た感じ私より10~20才若いボンやオジョーが多いので気軽に話ができる。年を取るとはこういうことなのか?とも思う。そう言えば昔は様にならなかったバーボンを注文して一人で飲むが、これも特別なかっこつけも変な自意識もなくなってそれ自体が当たり前のようになってきたなと思う。60にして初めてライブを普通に?楽しむことができるようになったのかもしれない。

名古屋のジャズクラブSwingにて。