バンジョーという楽器

 バンジョーという楽器がある。この楽器は大変マニアックな楽器だが、特にカントリー&ウエスタンではスター楽器である。元々はデキシーランドジャズのバックで伴奏楽器としての存在感のある楽器だったようだ。昔のアメリカの漫画を見ると、BGMに少し哀愁のあるデキシ―音楽が流れているが、聞こえるとも聞こえないとも言えないぐらいの音量でバンジョーの音がする。こんな大変奥ゆかしい楽器だったバンジョーがいきなり陽の目を浴びたのはカントリー&ウエスタンでの演奏からだ。中でもバンジョーのソロを一躍有名にした曲にFoggy Mountain Breakdownという曲がある。これはバンジョーを超高速で弾く曲で、バンジョーをやる人なら誰でも一度は挑戦する曲だ。実は私はバンジョーという楽器を触ったことがなく、何故弦楽器であんな速弾きができるのだろうと思っていたが、これには仕掛けがあった。ギターやベースなどは通常1弦から4弦5弦とあるうち、数字の低い弦は高い音を弾く弦であり、数字の大きい弦は低い音を弾くことになっている。したがってギターでは低音でリズムを保つための低音弦は親指で弾き、高音は人差し指以下で弾く。ところがバンジョーは全く弦の張り方が反対で1弦側は低音弦を、4弦側は高音弦を張ってある。したがって強いリズムで高音を弾くのに親指を使うことができることになる。実際ギターでFoggy Mountain Breakdownのような曲を弾こうとすると高音が弱くなってしまうと思っていたが、このあたりにからくりがある事を知った。不思議な縁で米国駐在時代に私はこのFoggy Mountain Breakdownの作曲者の生まれ故郷あたりに勤務していた。

一般の弦楽器と弦の張り方が違うバンジョー

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