耳が悪くなる
私は若い頃から長らく音楽に携わってきたので自分の耳についてはある程度自信を持っていた。たしかに老化現象というものは誰でも経験することで、膝が悪くなって満足に歩けないとか、老眼になって近くが見えなくなるとか、長時間仕事をすると腰が痛くなるといった症状があることは何となく当たり前として受け入れることができた。まあ年だから仕方ないと割り切って人生を送っていけば良いと思っていた。ところが耳が少し聞こえにくくなるという自覚症状を感じるようになった。ただ誰からも指摘されたわけではない。何となく人と話をする際に、聞き返すことが多くなったと感じるからだ。また自分の耳が悪くなっていることを棚に上げて、相手の発音がわかりにくいとかもう少し大きい声で話してくれたら良いのになどと、会話がうまくいかない理由を相手のせいに感じるような時が出てきた。もっともそれを顕著に感じるのは、会社を定年した後で入社した次の会社でだった。この会社は全国に数1000もの店舗を持っており、私はその一つで働いている。その店舗では他の社員とのコミュニケーションを取るために、お客さんに聞こえないようにインカムで連絡を取り合っている。ところがこのインカムはただでさえ雑音が入り、声もマイクを通したものなので、大変聞き取りずらい。ただ皆の会話を聞いていると若い人はこのインカムであまり不自由なく話をしているように感じる。そしてやはり会話が伝わっていないのは年配者が多いような気がする。そう言えば私の次女がアメリカの店舗で働いていたが、当初は聞き取りずらいとこぼしていた。日本語でも聞こえないのにましてや英語では・・

自覚症状はあまりないが耳が悪くなってきたらしい