感覚で弾く楽器

 楽器は色々な形をしており音色も種々様々であるが、いくつかの楽器(あるいはほとんどの楽器)は感覚で演奏している。何を言っているかというと、いくつかの楽器は調律されて、毎回簡単に同じ音を出すことができる。良い例はピアノである。最初に調律師さんが音を調整してくれていれば、あとは決まった白鍵や黒鍵をたたけば毎回同じ音が出る。同様にハーモニカもそうだし、ギターも最初にチューニングをすればあとは決まったフレットに右指を添え、左指で弦を奏でることで正確な音を出すことができる。しかしそうでない楽器が山のようにある。例えばクラシックの弦楽器とよばれる楽器はギターのフレットのような目印がなく指で押さえる場所は経験と勘で見つけることになる。プロはこの位置が寸分狂わないし、素人は大きく外す。またトロンボーンのようにラッパのストロークを伸ばしたり縮めたりして音の高低をつける楽器もある。これもどの程度伸ばすかは経験と勘が左右する。トランペットなどは音を1オクターブ上下するのに唇の当て方で変化させるらしい。ある意味では原始的な音の見つけ方をしていると言える。また現在のアナログとデジタルの違いのようなものとも言える。人間がどんどんデジタル文化に進む中、こうしてアナログの味わいを残すのが芸術なのだろうか?それだけに誰もが簡単にできないわけである。極め付けの楽器は、例えば金だらいに棒を立ててそれに綱を張って、綱の張力を変化させて弾く「金盥ベース」がある。ラグタイムの演奏で昔は使われていた。また横山ホットブラザーズが演奏するのこぎりのピヨーンという音色も勘で演奏する楽器の典型例だ。

お笑いバンド「横山ホットブラザーズ」ののこぎり芸は笑えた

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