辞めるぐらいならやることがあるやろ

 40年間サラリーマン生活をしている間に一体何人の会社を辞める人を見てきただろう。理由は色々ある。中には不幸な事に体をこわして仕事を続けられなくなった人もいる。災害にあってひどい怪我を負って働けなくなった人もいる。また不祥事を行いそれがばれて解雇された人もいる。しかし全体を通じて最も多いのは人間関係が嫌になったという理由だろう。仕事がうまくいかないで腹を立てる人、ちょっとした上司の一言に腹を立てる人、仲間との小さないさかいで売り言葉に買い言葉で喧嘩してしまう人、職場で毎日出会う同僚や上司との会話に耐えられなくなってしまう人など様々だ。私は幸いにほとんど職場での人間関係で困ったことはなかったが、それでも数回会社を辞めたいと思ったことはあった。その時どうしたかは明確に覚えている。それはそうなってしまったら恥も外聞も捨ててその場から逃げることだ。逃げるのは男として情けないと思うところもあるが、それでも自分自身が追い込まれてにっちもさっちもいかなくなるよりは良いと考えたからだ。私もある上司に罵倒され精神的にくじけそうになった時があったが、その際勇気を振り絞って「あなたと一緒に仕事をするとあなたも嫌でしょうし、私も精神的にもたなくなります。ですから離れて仕事をします」と言って遠ざけるように仕事をしたことがあった。辞めるよりもっとひどいのは死ぬことだ。40年の間に会社や寮や自宅で自殺した人の話を聞いたことがあった。しかし「死ぬぐらいなら他にすることがあるやろ」と思う。逃げても良い。プライドや自分の大事にするものをほかしても命だけは大事にしたい。

辞めるぐらいなら、その前にやる事は山のようにあると思う

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