孫の話題に入れない私

 定年してからも時々人と会って話をするが、以前会社で一緒に仕事をしてきた人となら仕事で苦労したことや嬉しかったことなどを話しするし、趣味などで一緒に活動した人とは昔の活動や趣味に関連した話題が多い。しかしこの種の話題は誰とでも話せない。他愛もない一般的な話題というものもするのが大人の会話である。こうした話題の筆頭は「体調」の話題である。「最近体調はいかがですか?」とか「もうXXXの痛みはましになりましたか?」とか「何か良い薬は知りませんか?」とかいった質問をすると、皆それなりに身に覚えがあるので食いつきも良い。しばらくその話題で盛り上がる。そして徐々に自分の家庭の話などに入っていく。ところが最近話題に入れないものに「孫」の話題がある。私は幸いに2人の子供に恵まれたが、長女は結婚しないままに40才を越えたし、次女は米国人と結婚したが生活面で苦しいという理由から子供を作ることを断念したという。そんな事から私には「孫」と遊んだりすることもできないし、その話題で盛り上がるチャンスはどうやらなさそうである。元々私はそれほど子供というものが好きでなく、自分に子供ができるまで子供についてはやや消極的な見方をしていた。それでも生まれてきた子供には全責任があるので必死で大人になるまで育ててきた。したがって孫が見られなかったり、孫の話ができなくてもそれほど残念というものではないが、他人がにこにこして話をするのを聞くと少しそのおいしい話を享受したいと思うこともある。特に「孫は責任がない分理屈抜きで可愛い」という話はわかるような気がする。

「孫」の話題については入れない私

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