競合執行トップもフランス人

 M&Aにより欧州地域の生産工場と商圏を得たが、現地のトップはEさんというフランス人だった。Eさんは大学で「軍事」を専攻し戦略的な動きをする人だった。欧州トップとして経営を任された私とは種々の点でぶつかりながらも最終的には日本人のメンタリティーといった底辺の部分まで分かり合うことができる仲になった。その後彼は大型M&Aで得た欧米拠点の統括と営業の立場でのグローバル営業統括を期待され、外国人としては初めての日本本社の執行役員を拝命することになった。ただ彼は米国経営だった以前の会社時代からマイナーなフランス出身者だった。本社は北米南米系がほとんどで、欧州はオランダ人、イギリス人が中心だった。同じような話を競合他社でも聞いた。我々の競合会社で世界No.1の会社が米国にあるが、その会社が当時No.2であったEUの競合会社を買収した。台頭してきた中国メーカーに対抗するために顔が似ている「アングロサクソン連合」で戦おうという作戦だったようだ。しかし買収された欧州工場の多くはコスト競争力が低く閉鎖されることになった。しばらくしてこの会社の人事を確認したら、何と買収されたNo.2の会社の出身者でしかもフランス人が買収した会社のCEOになっていた。どうやら戦略家ナポレオンの精神は近代社会でも有効なのか?(奇遇だがこの人に私は会ったことがある。彼は神戸大学を卒業し日本語がわかる。30年前ぐらいに彼は我々の日本の工場に来た時に表敬訪問でやってきた。会議中に上司から「右端の男は日本がペラペラなので日本語で重要な話はするな」というメモが回って来た)

フランス人はビジネス戦略に長けた人が多い

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