外交で位負けしない日本の首相は?

 昔よくG7の集合写真で日本の首相はいつも端にいることが取りざたされたが、本当に世界のど真ん中で堂々と行動する首相が日本人には少ないと思う。例えば独裁国家のトップには堂々たる発信をする人が多い。ロシアのプーチン、中国の習近平など。ただ彼らは独裁者であるが故に「堂々としたポーズ」をしていなければいけないという面もある。また資源を多く持っている国も堂々たる意見を言うことができる。OPEC石油輸出国などは世界に向けて石油ビジネスの考え方を語る。そういう点で見れば日本は独裁国家でもないし、大量資源輸出国でもない。しかしG7の中では技術立国としてそれなりの立場を確保しているとも言える。一方アジアの中小国を見ると、マレーシアのマハティール元首相ははっきりと物を言う首相だった。彼は「ルック・イースト」という言葉をスローガンに、アジア諸国は日本を真似て成長すべきだという主張をして日本を持ち上げてくれた。またシンガポールの創設者であるリー・クアンユーはアジアの中に近代的な経済国家を作ることを夢とした。こうした「国を語る」指導者が日本にはいない。大体は「あいつが終わったら、次はこの派閥の誰々」とかいった交互に順番性をとるような決め方が多い。おそらく日本はそれまで戦後大きな問題を抱えずにやってくることができたからだろう。ある外務省出身の幹部がYouTubeで語ってくれた話を聞くと、「過去他のG7の首相に位負けしなかった日本の首相は中曽根氏と安倍氏ぐらいだろう」とのことだった。たしかに彼らは写真の中央に位置し、米国大統領と対等に物を言っていた。そして在任期間も5年を越えていた。

G7において中央で堂々としていた日本の首相はほとんどいない

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