結局コピーするのが一番上達する

 ジャズを始めた頃よく思ったのは即興演奏ノウハウみたいなものがないかだった。本には色々書いてあって、簡単に言えば「コード進行に合ったフレーズで演奏する」であった。そんなの当たり前だ、それがわからんから調べているのだと思った。しばらくしてスケールという言葉が出てきた。そのコードにあったスケールというものがある。例えばCのスケールはドレミファソラシドである。あるコードが出たらそれに合うスケールの音を使って演奏すればうまく即興演奏ができるということだ。しかし当時は何か機械的すぎて、その代わりにギターで言う「アルペジオ」のような音を中心に使ってフレーズを作るとまあまあコード進行と合うのでこれで良しとしてやっていた。確かにこのやり方は次から次へとやってくる色々な曲をどんな場合でもそれなりに合わせられるという意味であの頃のニーズには合っていた。しかし今そのやり方でやってみると、「単にアルペジオもどきを弾いているだけやん」と言われてしまいそうな演奏しかできていないと思う。またどんな曲でもアルペジオ風で即興とは言うものの実際はどのアドリブも似たようなことしかしていないのが見え見えであった。この壁にぶつかってから、YouTubeなどでプロの人がしゃべっている内容をじっくり聞いたが、一番心に刺さったのは「結局歌をよく聞いて自分の即興が歌の気持ちをしっかり表現しているかが大事」とか「そういう気持ちで演奏家のソロをコピーしてみると良い」とかいった言葉だった。結局プロはあたかも歌うようにして出た自分メロディーを楽器で演奏している。実際弾きながらそのメロディーを歌う演奏家が多い。

満足する演奏とはまずは上手な人の演奏を真似ることだと悟った

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