自分のルーツ探し1

 私のルーツの話をしたい。森有礼という明治の政治家がいたが、曾祖父はこの森有礼が清国公使として赴任した際同行し、北京で毛織物の染色法を学び、帰国後東京で民間としては初めての毛織物製造所を設立した人だった。この功績から昭和初期に緑綬褒章を受章した。そしてその後岐阜県に移り別荘や工場を持つなどいわゆる大正昭和の企業家として活躍している。先祖の歴史をグーグルで見ていたら、昔の毛織物工場の跡地が岐阜県にあることを知った。私もサラリーマン時代は会社を成長させることを学んだという経緯もあり、もう会えないし話も聞けない曾祖父だが、せめても曾祖父が活躍した痕跡の一部でも見たいと思い、「旧〇〇毛織工場跡地」という場所まで出かけた。工場跡地は結構辺鄙な場所にあった。名神高速の養老地区で下りてどんどん南下して愛知県の境に至ると海津市という地域に着く。私の曾祖父の残した現存する工場跡地があった。今はたんぼの真ん中で工場倉庫の跡地だけが残っており、周辺の工場はすでに壊され見ることはできなかった。この海津市は木曽三川(揖斐川、長良川、木曽川)の間に位置しており、昔なら川の氾濫で有名な輪中地域にあった。すごい所で工場を稼働していたのだなとも思った。しかし一方繊維業や染物業は豊富な水が命とも言われており、こうした地域が選ばれたのかなとも思った。最終的にこの会社は第二次世界大戦の前祖父が社長の時代に倒産することになった。世が世であれば私は「社長御曹司~社長」という優雅な立場だったのかもしれないが、今のように「自分でやってきた」という自負心をもてる方が良い気もする。

先祖の工場跡地は木曽三川が集まる輪中地域に残存していた

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