自分のルーツ探し2

 曾祖父~祖父が企業人として活躍した時代を私は直接見ることはなかったが、その残したものの一端を知りたいと思った。一つは岐阜県海津市にある毛織物工場跡地を見た。そしてそれ以上に見たかったのはいくつかある別荘だった。今でこそサラリーマン社長が多いが、当時は会社経営者というものはそれぞれ一国一城の主でそれだけに個人が持つ財産というのも特別なレベルだった。私の先祖の場合、別荘と呼ばれるものが3つあった。残念ながらそのほとんどは元あった場所から移設され、結婚式場などに転用されていた。それでも残っていれば良い方ですでに影も形もないという状況のものもあった。実は私の父が一回だけテレビに出演しているが、曾祖父の残した別荘の跡地として紹介された長良川沿いの結婚式場でロケが行われた。当時私は忙しくてなかなかこの式場を見に行く暇もなかったが、数年経って見に行った時には結婚式場はすでに廃業をしており、式場跡地は草ぼうぼうの状態でがっかりした覚えがある。ところが最近弟から木曽川にも先祖の別荘があることを聞かされた。そこは岐阜県の木曽川沿いに位置しており、長良川の別荘と同様現在実際に結婚式場として利用されていた。長良川の別荘の作りは当時秦の始皇帝が立てた大宮殿「阿房宮」をイメージして作られたという贅沢な建物だったが、木曽川沿いのこの結婚式場もそれに勝るとも劣らぬ素晴らしい建物だった。一つ一つの家具はその塗装まで丁寧に仕上げられており、ふすまや扉に施されたデザインは贅を尽くしたものとなっていた。この建物を前にして、企業家であった先祖が隆盛を極めた姿が見えるような気がした。

先祖が所有していた別荘は当時の繁栄を物語っているようだった

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