今は若くないバンドマンがステージに立つ

 私が学生時代バンド演奏を聴きに行くとステージにはいかにもやる気十分といった若いプレイヤーが立っていた。ロックコンサートに行くと、長髪で上半身裸か前を開けたジャケットを着た細くて長身のプレーヤーが長髪を振り乱しながら演奏をしていた。またジャズコンサートに行っても低音でハスキーな声が素晴らしい女性シンガーの妖艶な横顔や、髭をはやしたトランぺッターが眉をしかめながら高音のソロを吹く姿にうっとりしたものだった。彼らは私よりは年上だったが、若さがにじみ出ているエネルギッシュな演奏を聴かせてくれた。そして私が好きになったジャズとかロックとは若者がやるものだという認識が頭の中で作られていた。それから就職してしばらくは音楽と無縁だったが、会社で再度バンドを結成することになって、もはや軽音楽は若者だけのものでなく中年あるいは老人まで参加できるものに変わっていったように感じた。30代で企業人が集まるコンサートに出演したが、大半はやはり若い人中心のバンドだったが、中には昔からのベンチャーズファンのバンドが出演していた。年齢構成は25才~50才ぐらいで、最年長のキーボード奏者の人は外資系で皆が知っているような会社の「〇〇本部長」という肩書らしいことも知って驚いた。結局その時10バンドほどが参加したが、その後そのバンドと我々の2バンドでジョイントコンサートを開いたこともあった。またTVでも「おじさんバンド」の特集も組まれるようになり、まさに老若男女関係なく誰もが音楽演奏を楽しむのが認知されるようになった。思えば私が音楽を始めた頃が日本のバンド活動の始まりだったのかもしれない。

今はどこにもいる私と同年代の「おやじバンド」

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