実家の売却と京都からの真の脱皮
2021年に私の母親が亡くなった。90才だった。そこそこ長生きだったと思う。母親は2016年に足を骨折して老人ホームへ入所したが、結局5年間の入所後亡くなったことになる。さてたちまち残った母親の財産をどうするかをもう一人の相続人である弟と考えないといけなくなり、京都駅近くの司法書士さんに相談した。残された銀行預金、郵便貯金及び株式債券等については即座に処理を行ったが、問題は90坪近い土地の処分だった。私にとっても弟にとっても京都の実家は懐かしい思い出の場所であったが、現在それぞれが別の場所で生活を営んでおり、京都に戻って新たな生活をやる考えはなかったので、売却を行うという結論になった。お世話になった司法書士さんが不動産部門も持っておられ、事情のよくわかったこの不動産屋さんに家の売却を依頼することにした。京都の土地は天皇御陵に2面を接しており、そういう意味では「一生土地の2面を誰からも邪魔されない閑静な住宅地」であった。外部へのアピールとして、この「2面を天皇陵に面した閑静な住宅」という写真を添付したが、販売の話はある程度あったものの、なかなか本格的に商売につながることはなかった。その理由は土地の形状にあった。不動産上では「旗竿地」と呼ばれ、細い旗竿を通って家につながる構造のため、その「旗竿」部分に車を駐車するのが不便だった。毎回駐車スペースの狭さが販売のネックになることが問題となっており、どうしようもないと思っていた頃急に土地が売れることになった。ただ坪単価は路線価の40%ダウンということになったが。40年前に離れた京都から本当の意味で完全に脱皮することになった。

母の死去に伴い京都の実家を処分することになった


