私と一緒に戦ったブレスレット
私が海外に8年間いた間に私と一緒に働いてくれたものに「革靴と財布」があったという話を書いたことがある。ともにいつも私を助けてくれた大事なビジネスツールだった。最近こうしたツールがもう一つあるのに気がついた。それはブレスレットだった。私はスピリチュアルな事は信じない方で、ブレスレットの石の宣伝に書かれている「パワー」とか「効能」は信じていなかった。しかしマレーシアの中華街をぶらぶらしている際に、たまたま入った「石屋」で見た薄緑色のブレスレットが欲しくなった。マレーシアのその店では相場ではブレスレットの価格は200~500RM(リンギット、1RMは当時30円ぐらい)だった。私の見たブレスレットは最も高い部類に属していた。効能を見ると「自分の意見をはっきりと伝えることができる」というものだった。あまりスピリチュアルな事を信じない私だったが、何故かその時は無性にそのブレスレットが欲しくなって、ほとんど価格交渉もせずに買ってしまった。あとで石の種類を確認するとJade(翡翠)だという事がわかった。マレーシアは常夏の国で、年中半袖で暮らしていたが、仕事中もそのブレスレットを外すことはなく、いつもブレスレットは私と共にいた。またブレスレットは全部で16ケの珠が連結されているが、連結は特殊な弾力のあるひもでなされていた。マレーシアから離れ、欧州そして米国で仕事をして、日本に帰ってきてからも肌身離さず持っているが、ひもが緩むとどこかのジュエリーショップで直してもらっている。マレーシア以降約10年になるが、はたして効能通り「皆の前で意見をはっきり」伝えてこれただろうか?

海外駐在中私と一緒に戦ってくれた翡翠のブレスレット。今も一緒。


