会社のイメージコマーシャル
私が長く勤めてきた会社はいかにも古臭い重厚長大の企業だった。働いている人の感覚も昔風でなかなかカラーを変えるのは難しいと思っていた。私は20代30代の頃は一応「若者のリーダー」を自認しており、こうした社風をもっと新しいものにしたいと思い自分たちでできる範囲の行動はしていた。しかしマジョリティーは昭和を代表する人たちであり、自分たちが会社を大きくしてきたと思っている人たちばかりだったので、なかなか新しい意見を提案しても簡単に受け入れてくれるような雰囲気は無かった。仕事は「気合で行う」というのも嫌いではなかったが、できれば「遊ぶようにアイデアを出して実施していく」ような職場の会社があれば良いのにと思っていた。しかしそんな事を言おうものなら「あいつは不真面目だ」と言われるのがおちだった。こうした風潮はおそらく同業他社も同じだっただろう。ところが私が定年退職をする前後で同業他社が会社名を変えた。古臭い日本名のその会社は英語3文字の会社になった。そしてそれからは若者に人気のある若手俳優をコマーシャルに起用して会社イメージをどんどん変えていった。おそらくこうした活動は同業他社にとっても思い切ったものであっただろう。そして定年してから数年した頃、私が勤めてきた会社も英語名に名前を変えた。そしてさらにはコマーシャルについても斬新なものを提示してきた。何とロボットがAIを活用して会社の未来や方向性を語るというコマーシャルであった。これを見てまさに私は若い社員のセンスを感じた。もしこんな時代にまだ働いていたら、彼らを応援するしまた微力ながら一緒に働きたいと思った。

私が働いていた会社の最近のCM


