海外工場のスパイ

 日本でもそうだが、新しいボスがやってくるとボスがどういう行動をするかが気になるものだ。ボスがどういう人とどんな話をしたかとか、どこを見学したかとかいったことを下の人、特に管理職レベルの人は気にするものだ。私は逆にこのサラリーマンの習性?を生かして私がどういう人間であるかとか私が何に興味を持っているかを間接的に知らしめるようにしていた。例えばある現場に私が訪問してある特別な設備に興味を持ってその専門家と数時間の議論をしたとする。するとそれから数日中に私とその専門家の話した会議議事録的な内容が上司の部課長~工場長~本社経営陣に伝わるということになっている。何となれば私は日本本社から代表してやってきて、この工場をあらさがし?して、悪い点を本社に挙げる人だからである。したがって親会社から何らかの質問等が来ても準備ができるようできるだけそうした情報は聞いておくべきだ、という事になるのかもしれない。またこの人は技術系出身者らしいし、日本では工場長をやっていたので製造設備には詳しいだろう、どこらか改善を進めようとしているのかもしっておくべきだ、といった話もでているのかもしれない。さらに彼らの気をもませるのは、この日本人は管理職が皆休む日曜日に会社に出てきて現場を見ているという点だろう。私としては独り身で暇だし、日曜日は会議もなくゆっくりと現場が見られるだけなのだが。こんな風に駐在してしばらくは私のような「取り締まると思われている人」には各々の工場にスパイがついている。そのうちスパイはいなくなり、ようやく解放される頃から真の議論ができる。

どの海外拠点でも私の行動を見張る現地スパイがいたようだ

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