ジャズは2拍ごとにコードを変える
ジャズという音楽を学生時代の後半に習うことになった。その頃私は京都の楽器屋でアルバイトをしていたが、その店の常連のお客さんを通じて電電公社(現在のNTT)の労働組合に属し昔ジャズバンドでベースを弾いていた「ターボー」と呼ばれる人と出会った。ターボーは実際に夜のキャバレーやクラブのバンドで演奏した頃の経験談を聞かせてくれたが、その話は学生の私には大変面白かった。そんなことからジャズを演奏しようということになって初めてジャズ曲の譜面を渡された。驚いたことにその譜面の第一印象は「やたらコードが変わるなあ」という点だった。通常ロックやフォークの譜面では1小節4拍で1コードというのが一般的なイメージだった。ところがジャズの場合、1小節4拍で2コードがほとんどで、場合によっては1拍1コードで変化していくというものまであった。したがってフォークソングの伴奏のような同じコードを続ける「退屈さ」は少ないものの、逆に「こんなに変わるコードを覚えきれない」とか「何故ここまでコードを変えないといけないの?」という印象が強かった。元々私はブルースバンド上がりで、基本ソロは感覚だけで演奏していた。したがってコード進行が変わろうが変わるまいが即興演奏の仕方に大きな変化はなかった。しかしその後著名なミュージシャンの実際の演奏を聴くと、彼らは与えられたコード進行に忠実にフォローしたソロを行っているのがわかるようになった。つまりジャズは原曲者の思いやミュージシャンの思いに合わせて複雑なコード進行でミュージシャン同士がソロという会話する音楽だということを知った。

最初はジャズ曲のころころ変わるコード進行にとまどった


