世界のどこもが「自国優先」
私が学生の頃はリベラル的な考えが流行り始める時代だった。学生運動は戦争を押し進めた国や考え方を批判した。私が入学した頃やたら構内に「アメリカ帝国主義」という文言が目に付いたのを思い出す。米国で生まれたフォークソングは元々反戦歌から始まったが日本においても最初は戦争に反対した人たちが歌い始めた。第一次第二次世界大戦が終わり、その後もベトナム戦争など多くの国が「戦争に対する反省」を口にした。そしてそうした反戦思想はさらに拡大解釈されて「弱者への思いやり」の行動へと移っていった。飢餓で苦しむ国に対して援助しようとか、黒人差別撤廃運動などもその流れにある。日本でもフォークシンガーが部落差別反対の歌を歌った。さらに理由をあまり理解できていないが成田空港建設に反対する運動や極左の赤軍派が世界革命を旗に異常な行動が起こった。これらの左寄りの行動に何となく学生だった私も賛成しないまでも共鳴するところがあった。しかしそれから50年ほど経ったが、今世界は全く違う方向を目指している。オリンピックの戦いのように皆が「自国一番」を掲げているかのようだ。皆平等を掲げていた中国は一気に資本主義を取り込み「経済大国」を標榜し誰もが人より先を走ろうとしてもがいている。米国は「世界の警察」を下りて、ディールによる「世界のガードマン」に変わりつつある。欧州は紛争後の中東アラブ難民を受け入れたが、今は「自国第一」へ方向転換を始めている。日本も戦後「平和憲法」により周辺国と仲良くする方向を狙ったが、周辺国が武力を拡大するにつれ手をこまねいてはいられない状況になってきた。

どの国も国益を考えて行動しようとする


