厳かな神社の能舞台で演奏した
町内会でバンドを組んでいた時、一度だけ厳かな神社の能舞台で演奏した事があった。この神社は日本でも格の高い神社で、やおよろずの神が集結するとされている神社の一つと称せられている。この神社には能舞台が設置されており、伝統的な能や狂言のステージが行われる事もあるとのこと。何故かこんな格調高いステージに出演することになってしまった。どうやらバンドメンバーの一人がこの神社のある地域出身者で地域の行事に対しても特別なコネを持っているらしかった。たまたま夏祭りのイベントとして出演者が決まっていないこの能舞台での行事に我々のバンドを出演する交渉をしてくれてOKとなったとのことだ。当時の私のバンドは「100万枚売れた曲を演奏する」バンドだったので、こうした人集めの行事にはふさわしいバンドだった。バンドメンバーが「このバンドなら盛り上げてくれる」と一生懸命アピールしてくれたようだった。毎年この能舞台ではプロの芸人やバンドが出演しており、実際私たちの出演の前日には吉本興業のカウスボタンが同じ楽屋?(能舞台の場合は控室?)を使っていたそうだ。ただ古式ゆかしい場所だけに冷暖房などは一切なく、演奏時期が8月上旬という1年でも最も暑い時期だったので、だらだら汗をかきながら演奏したことを覚えている。全く無名のバンドの演奏などに期待していない通りすがりの聴衆ではあったが、それでものべ数千人の前で演奏するというのは私の音楽人生の中でも初めてのことだった。やおよろずの神のご加護を得て演奏は無事終わり、その後はステージから神社の「福もち」を投げるという大役もやらせてもらった。

聴衆数千人の前で厳かな神社の能舞台で演奏した


