ジョンとパチンコ屋であった
定年してからパチンコ屋によく出入りするようになった。パチンコというと賭け事で、高齢者のような収入の少ない人には不釣り合いと思われるかもしれないが、そこはパチンコ屋も考えていて「ローリスク・ローリターン」の機種を準備して高齢者を迎えている。昔なら1時間も打てば簡単に1万円ぐらいなくなるパチンコを打っていたが、今は1000円も使わない機種を打っている。その代わり昔ならまぐれで数万円のお金を得ることができたが、今は大勝ちしても数千円しか儲からないパチンコしかやっていない。こういうパチンコなら毎日勝ったり負けたりしながら1ヶ月で大負けしてもせいぜい1万円程度の出費しかしない。ところでそのパチンコ屋で「ジョン」と呼ばれる男に会った。彼は昔の職場で部下であった。まだ私が就職したばかりの頃、平均年齢23才という若い男の職場の担当をしていたが、そこで働いていた作業者の一人だった。ジョンというのはあのビートルズの「ジョン・レノン」から来ており、昔は長髪でバンド活動をしていたことからそう呼ばれていた。その職場には色々なメンバーがいたが、若かっただけに時には手がつけられないような人もいた。現場が混乱して仕事が多忙になると、腹を立てた若者は職場で使用される鉄製の脚立やはしごを投げ飛ばしてうっぷんを晴らすといった暴力も多かった。そういう若者と比べわずか5才ぐらいしか違わない私たち大学出の「幹部候補生」が暴力を抑える仕事をしていた。そんな彼らも今は50才を越え、もう大暴れもしないし、髪の毛も短く7:3に分けている。逆に若い頃の彼らにもう一度会ってみたいと感じた。

50才になるジョンはきちんと7:3に頭を分けていた(AI写真)


