おかしくなったカルロス・ゴーン
日産自動車と言えば日本を代表する自動車会社だ。私が学生時代は「ケンとメリーのスカイライン」など若者をわくわくさせる車を次々と出す超優秀な会社だった。ところがこの会社はどんどん経営が落ち込んでいった。その最大の理由はいわゆる「派閥政治」による社内抗争が理由で、本来自動車メーカーが進むべき「良い車をつくる」という大方針から外れていってしまったことだった。1兆近い営業赤字を生む時点になって、ついに日産のトップはフランスの同業のルノーに救いの手を求めた。その時にルノーからやってきたのがカルロス・ゴーンという人だった。彼は日産の持つ問題点を短期に見抜き、会社を立て直す道筋を作成した。そして「コミットメント」という「言ったことは首を覚悟で必ずやる」という言葉を前面に出して強力に行動していった。元々日本の会社内には人情的な部分があり、手をつけるべき問題があってもなかなか手をだしにくい面もあったが、外国から来たゴーンは私情をはさまず淡々と改革を進めていった。そしてあれほど大きな赤字があった日産を彼は予定よりも早くV字回復させてしまった。この功績で彼は日本の日産だけでなく、本体のルノーのトップまで上り詰めた。ここまで栄華を極めたゴーンだったが、それからおかしくなってしまった。会社のお金を私的に流用するような疑惑が次々と発見され、ついには警察につかまることになった(その後レバノンへ逃げることになった)このゴーンの変わり様は元々レバノン人としてフランスの会社でも下に見られていたという差別感から来ているとも言われている。強大なトップは時として「会社を自分のもの」と勘違いする。

成果も大きかったが、晩年は会社を自分のものにしてしまった


