久しぶりに録音してみて
長い間ギターをまともに弾いていない。そこでどれぐらい下手になったかを録音することでチェックしてみようと思った。結果テクニックが衰えていること以上に、昔私が勘違いしていたことがよくわかった。まず一つは昔の演奏で私が目指した最優先事項は「速弾きを中心としたテクニック」だった。ともかく速く弾くと人目を引くとか上手いと思われると思っていた。回りを見れば腕自慢のギター少年が一杯いて、いかに速く弾くかを競っていたのである意味それが最優先であったのもやむを得ないことだったかもしれない。しかし40年もしてその価値を見直してみると何とつまらないことに必死になっていたのかと思ってしまう。速く弾こうと思うとどうしても「お決まりの指使い」が中心となってしまう。つまり「美しい新たなメロディーの発見」といった本来音楽が目指す部分がどこかに行ってしまっている。またブルースでもジャズでもお洒落な演奏には必ず「間を取る」という面があるが、ただ速弾きばかりに専念すると知らず知らずのうちに「間」というものの大事さがどこかに行ってしまう。さらに悪い事は、若い頃はそれでも長時間の練習の賜物で、一応速弾きをある程度正確に達成することができた。ところが年を取って速弾きをしようとするとピッキングが下手で満足にメロディーを作ることができないという問題も発生した。要は若い頃に最優先だった「速く弾く」という呪縛から抜け出せないために、原曲の持つ美しいコード進行やメロディーを大事にしないばかりか、ギタリストなら当たり前に行う正確な音出しまで犠牲にしてしまっていたということだ。

長年楽器を弾いていないと、録音した音は恐ろしく酷いものだった


