老害も良い面があった
私がマレーシアにいた時、ある製品で全く良品が取れないという問題が発生した。この製品は私の担当ビジネスとは別の製品で私がどうこう言う権限を持っていなかった。本社への報告は別のビジネスユニットの担当部長が行っており、私は生産結果だけを見てやきもきする毎日だった。しかし生産は半年を越えても一向に改善されず、赤字はどんどん累積していった。その頃に突然以前社長~会長~相談役を歴任して会社を離れられたKさんという方がこの生産状況を見に来るという情報が入った。ともかく偉い人だったので丁重に対応するよう命を受けた。Kさんは高齢にもかかわらずお元気で、工場に着くなりすぐに現場へ行かれた。そして工場見学から帰ってくるなりいくつか意見を言われた。普通なら現役の社長、会長が最も強い指揮権を持っているはずだが、何故かKさんは昔の時代に逆戻りしたかのように、「私の時代はこうして改善した」という成功例をいくつも挙げて、ついには生産ラインを止めて大改造に着手された。しかしどう考えても現役を退いた人が現役の組織を使って改善を行うのには意思決定の立場から違和感があったので、本社部門へ私からや別のビジネスユニットの担当部長から打診したが、何故かトップからは全く返事は返ってこなかった。実はこの改善は現会長からのアイデアで実施したものだったので、生産不調に対して社長以下誰も反対ができないままになっていた。しかし現会長の元上司のKさんが強引にこのアイデアをひっくり返したのだった。数ヶ月して生産は改善した。結局Kさんの老害のような越権行為で問題解決ができたのだった。

上司の元上司が現場の窮状を救った。老害もたまには?


