人前で怒らない
私が入社した頃は、なんと喧嘩っ早い人たちが工場を運営しているのだろうと感じた。とにかくよくミーティングで口喧嘩が始まる。これが相手の話に対して違う立場から反対意見を言うような建設的なものなら良いが、すぐに相手をあほ、ぼけと罵り合うような言い方になり、最後は物を投げて怒り出すこともあった。元々日本人は小さい時から親に人前で叱られ育ってきた。しかしこの「叱られて育つ」は世界的にはメジャーでないようだ。
マレーシアに赴任するにあたって先輩から色々経験談を聞く中で、マレーシア人を人前で絶対に怒ってはいけないことを何度も注意された。理由は人前で怒ることはその人のメンツやプライドを傷つけることで、しっかり指導をしないといけない場合は、一対一で指導をしなさいと言われた。よく中国人はメンツを大事にするので、メンツを潰すような発言を中国人にしないようにと言われるが、これは何もマレーシア人や中国人でなくてもほとんどの国の人に当てはまると思う。私はマレーシア赴任後、欧州と米国へも赴任することになったが、どの国でも人に厳しい指導をしないといけない時、上司は自分のオフィスに部下を呼んで一対一で指導をしていた。やはり人前で自分の欠点を言われることは誰でも嬉しいものではないだろう。実際マレーシア工場が開設された当初は、先生である日本人はよくマレーシア人を人前で怒ったそうである。現在も在籍するフロンティアメンバーに聞くと、〇〇さんはよくヘルメットを投げて怒ったというような話を聞く。私は「叱られて育つ」時代の人間だが、できることなら「ほめられて育つ」方が好ましいと思う。



