初めてのマッサージ

 マレーシアに来て1~2ヶ月もすると勝手がわかって普通の生活ができるようになった。そうすると退屈が嫌いな私は動きたくなる。と言って皆とつるむのは好きではなかったので、自分一人で行動して楽しめることを探した。例えば日本なら、一人で食って飲んで酔っ払う居酒屋のような場所があるが、ここはイスラムの国なので飲み屋街があるわけではない。まあそれに近いのが日本食レストランで、夕食時に少し多めのつまみになるものを頼み、ビールをお代わりして時間をつぶすというようなことになった。またパチンコのように一人で行って一人で遊んでくるというようなものがないかと色々探し回ったが、一番私に合ったのはマッサージだった。それまで私は日本でもほとんどマッサージの経験がなかったが、駐在員とランチを食いに行った後、ほぼ初めてのマッサージを受けた。街にあるマッサージは中国マッサージかタイマッサージかのどちらかで、最終的にはどちらも好きになった。元々体を触られるのは何となく嫌だったので、最初は中国マッサージのいわゆる足つぼマッサージをしてもらった。そのうちに指名をしてくれとの事だったので同じ女性セラピストを呼んでいるうちに少しずつ会話を覚えるようになった。彼女の名前は馬小錦(マーシャオジェン)と言った。彼女は中国本土から出稼ぎに来ており、ほとんど英語はしゃべれず、私も勿論中国語はダメなので、最終的には漢字や熟語を組み合わせてコミュニケーションを取った。苦労してコミュニケーションを取るのは私のライフスタイルに合っていた。こうしてマッサージは私の楽しいコミュニケーション訓練の場となった。

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