酒を飲まないトップ
新しいトップが私たちのビジネスの指揮、指導をされることになった。この方はいわゆる下戸で酒がほとんど飲めなかった。工場メンバーの何人かは面談に呼ばれて、色々質問を受けアイデア出しを行っていた。そして何かのテーマが一段落すると、トップはねぎらいの意味を込めてメンバーを食事に招待してくれた。この食事会はほとんどが1対1での食事会だった。この食事会がなかなか気の重い食事会だった。まず食事が始まるとビールが1本席に置かれてそれから食事会が始まる。しかしこの食事会は受けている側からするとほとんど食事会ではなく会議の延長戦のようなもので、矢継ぎ早に質問が飛んできてそれに答えなければならなかった。多分今から思うと、本人は質問をしている感じでなく、色々な話題について楽しくフリーディスカッションをしている感覚だったのだろうが、受ける側からするとそれらはすべて答えなければならない質問に感じていた。あれやこれやと質問を受けているとのどがからからになりビールでのどを潤すが、そのうちに1本のビールがなくなってしまいのどを枯らしたまま話を聞くことになる。トップは下戸なので、こちらののどが渇きもう少しビールを飲みたいという気持ちなど全く理解せず延々と話を続けられた。だからといってこちらからビールを頼んでも良いですかとも言えず我慢をせざるを得ない。そのうちにトップがトイレに立たれたので、お膳を取りに来た女性にビールを交換して欲しい旨を伝えた。女性は笑って「大変ですよねえ」と言われた。聞くとこのトップの食事会ではこういう事が多いそうだ。皆に聞くと気にせずビールを頼めば良いと言われた。
