批判は簡単、でも批判を受けてもやってみたことがあるか?

 製造現場のリーダーが長かったので、現場の労働者の文句?を聞くことが多かった。現場の人は色々な事で文句を言うものだ。中にはもっともな理由があるものもあるし、中には個人的な意見で異議申し立てをしているような内容もある。基本は現場を預かるリーダーは現場から上がってくる意見を尊重したいと思っているが、あまりにも文句や苦情が多いと不安になってしまう事がある。私は40代半ばぐらいに製造現場の改善・改革を行った。勿論目的は理路整然としたもので、必ずある成功を得るつもりで練りに練ったものだ。しかし現場は保守的で、やった事のないもの、これまでに実績のないものに対しては非常に抵抗する。場合によっては改善とか改革という言葉を発するリーダーや管理職に対して生理的に抵抗を示す人もいる。私が課長代理だった頃、ある工程の作業を大きく変更する提案を行った。小規模なテストでは十分作業は可能だし、不都合な点に対してもある程度配慮を行い規模拡大をするつもりだった。ところがその拡大について説明会を行い、いざ工事開始という段階になって、現場の班長や組長などから文句が出た。最後には「俺らを殺す気か?」などという物騒な言葉まで出る始末だった。そして最後に私が言ったのは「私はこの方法に自信を持っている。きっとうまくいくと思う。しかしもしもあなたたちが言うように問題が起こったら、私を恨んでくれ。悪い課長に当たったなあと」新しいラインはその1ヶ月後スタートした。結果は過去に経験した事がないぐらい好調なものとなった。誰も殺さず、私は信念を貫くことができた。しかし本音は心配でならなかった。

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