行政との関わり方は国によって違う
会社の利害関係者の中で結構重要なものに工場や職場の位置する地域の行政とつきあいというものがある。例えば最初にその土地に事業所を作りたいと思ったら、まず行政へ行きその旨を告げなければいけない。そして地域の決まり事(廃棄物の処理、水、電気、ガスなどの供給の仕方、排水の流し方、騒音に対する対応等々)について説明を受ける必要がある。またこうした地域からの厳しい規制への対応もある一方、いわゆる優遇措置というものもある場合が多い。大きな企業がある地域で事業を行い、将来事業が成功してそこそこの利益が得られるようになると、企業は地域に対して法人税を払うようになる。この金額が多くなると、その地域の住民は税金が減額されることになる。そんな事から優良な企業は地域住民から感謝されることになる。こうした将来のメリットを考えて、その地域の政府は優良企業の誘致に対していわゆるインセンティブ(優遇措置)を与えてくれる場合が多い。これは特に事業所の開所に多い話だが、開所後も行政に対して綿密に接していかないといけない場合もある。例えば日本なら行政の関係部署や地域の幹部とは年初に必ず顔を見せて一言あいさつを行う。またマレーシアでも何か不都合な法律や措置が出された場合は関係省庁のトップへ懇願に行ったものだ。こうした事を欧米でもやらないといけないのかと思っていたが、欧米は開所や閉所の場合は綿密にコンタクトしないといけないが、それ以外はほとんど行政とコンタクトの必要性は感じなかった。このあたりアジア圏はウエットな関係であり、欧米はドライな関係であり国によって違うものだと思った。
