今の京都会館
私の学生時代には世界の大物アーティストの演奏を京都で見ようと思うなら必ず京都会館に行くことになった。ところが最近京都会館と言うと通じない場合が起こるようになった。正式名称は以前と変わらず京都会館らしいが、現在京都の人はロームシアター京都と呼ぶのが一般的なようである。たまたまバイト先の人が「今度はらみちゃんのコンサートを京都へ聞きに行く」「場所はロームシアター」という話をしていたので、そのロームシアターとはどこやと質問したら、昔の京都会館であることがわかった。この会館は元々京都市交響楽団の定期演奏のために作られたホールで、敷地は京都市の岡崎公会堂があった場所である。その後このホールも50年以上の時期が過ぎ建物の老朽化が進み、2012年で一旦閉鎖ということになった際に、地元の電子部品メーカーのロームがその工事費を肩代わりする代わりに、50年間の命名権を取得してこの名前が付けられたということである。京都会館の座席を購入するのは学生である私にはなかなか厳しかったが、それでもこれぞというアーティストが来ると思い切って小遣いを捻出しては聞きに行った。今もよく覚えているのは、ジャズのビルエバンス、ロックのサンタナなどで素晴らしい演奏と音響効果に我を忘れて音楽に酔いしれた思い出がある。そういう思い出があるだけに、京都人の私としては何となく旧?京都会館に私企業の名前が付けられているというのは少し愛想がないと感じるところがある。まあホールまで京都市が明け渡したわけではないと聞いて少し安心したが。やはり私の中では「永遠の京都会館」であってほしい。
