世界一になると人が寄ってくる4

 世界一になって同業他社が寄ってきて、ベンダーが寄ってくるようになった。そして次は客先が寄ってくるようになった。思えば会社に入社した当時、最初のサンプルを受け取ってもらえず追い返された時代を数年経験した。それから30年以上経ちそこそこのレベルのメーカーとつながりも出来てきた。そんな中でまだ納入ができていない業界トップの会社よりご招待を受けるようになってきた。優秀なグローバル企業というのは常に材料に対してどういうメーカーが上位にいるのかを監視し情報を得ているらしい。我々が世界一になっていくきっかけはリーマンショックだった。この時期多くの同業他社は財務的に疲弊し、なかなか立ち直ることができなかった。一方我々は会社全体としてリーマンショック時代にメインの電子部品が大きな痛手を受けていなかったので財務的には比較的ましだった。この時期に私の関係する仕事はマレーシアに巨大投資を行い、多くの客先トップ企業の物不足を救うことに貢献した。こうした姿を多くのトップ企業が見ていて次々と面会の依頼をしてくるようになった。そして実現こそしなかったが、いくつかの圧巻のオファーもあった。それはドイツを代表するある化学メーカーから自分たちの広大な土地に我々の工場を建てて、専用で材料供給をしてくれないかとの話があった。またアメリカ時代には中東の石油パイプ大手より同様なオファーがあった。さすがに客先の土地で生産するほど我々の生産は自由度がなく、マクドナルドのようなものづくりもできなかったので、丁重にお断りをしたが、客先が我々のことをグローバルパートナーと見てくれているのには驚かされた。

No.1になると「おとといおいで」と言われたメーカーからオファーをもらう

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