会社員は仕事でつながっているだけ
会社の後半日本を離れ8年間外国で仕事をして帰ってきた。そして帰国後は元いたビジネスには戻らず、障害者雇用を行う会社でラスト3年間を過ごすことになった。この過程で寂しい経験をすることになった。海外赴任までは調子よく話をしていた人が妙によそよそしくなってしまったように感じた。どうやら会社員というのは仕事を通じて繋がっているだけで、一旦仕事を離れれば「どうでも良い同じ会社の人」となってしまうのだろう。中でも以前ライバルだった執行役員たちの対応は最も顕著だった。執行役員を下りた私は彼らからすれば「終わった人」という見方だった。それはある意味そうだろうと思った。執行役員同士が会話をするのは利害関係がからむことだけであって、趣味や好みの話をするほど暇でないからである。したがってこの態度に十分納得した。さらに以前私が管轄していた職場の人たちだが、すでに私以外の人がその事業のトップとして着任しており、私が帰国の挨拶と子会社転出の報告をしてもあまり気のない感じでそっけない返事をするだけだった。また8年も離れていると見たこともない社員も多くいた。たぶん「私=以前の上司」であり「もはや従う必要がない人」になってしまったのだと思う。そして次は駐在員時代に出会った色々な部署の人たちとも話した。この人たちは駐在員時代も異なる命を受けて駐在したメンバーだったが、比較的オープンに話をすることができた。この理由は「私=現在利害関係のない人」であるからだろう。あらためて国内を離れてから帰国してみて、会社員の付き合いというものについて考え直す場になった。

一旦仕事上の繋がりが切れれば会社員同士の付き合いは切れる