好きなスローバラード4「My funny Valentine」
初めは静かに、そして徐々に盛り上がっていくこの曲は誰の演奏を聴いてもかっこいい。特に歌版としてのスローバラードの名曲だと思っている。この曲が作曲されたのは1937年で第1次世界大戦と第2次世界大戦の間で、世界恐慌の影響がまだ続く不安定な時代だ。曲の内容は恋人Val(Valentine)とバレンタインデーをかけた曲名となっている。大好きな大好きな恋人バレンタインが素敵でずっとお気に入りだということをせつせつと歌い上げている。曲調が短調でどちらかというと暗いイメージがあるので、てっきり失恋の歌かと思っていたが、歌詞を見ると実際は大変熱烈なラブソングのようだ。ところでこの曲で思い出すのはウイスキーのBalentine’sだ。私は55才以降海外の駐在員生活をするようになったが、最初の頃は帰国の際にウイスキーを買ってきていた。それまではウイスキーの味などほとんどわからない私だったが、Jack Danielのようなバーボンウイスキーぐらいしか飲んだことがなかった。たまたま免税店のお酒コーナーをのぞいていたら、Ballantine'sという酒があった。7年物と12年物があったが、どうせなら12年物を飲んでみようと1本買って帰って、なかやぶのスナックへ持ち込みママと一緒に飲んだ。BとVでスペルは違うが日本語はバレンタイン。どちらも奥が深く心に染みた。それ以降たまにこのBalantine'sを買ってきて、家でこの曲を含めたスローバラードを聴きながら、スコッチタイムを楽しんだ。こんな事は学生時代京都熊野のサンタクロースというジャズバーでJohnny Walker赤を飲んでべろべろになりながら演奏を聴いた時以来だ。

どちらも心と体を酔わせるBallantineとValentine