D製薬とのくされ縁

 まだ私が平社員であった頃、D製薬からトップ会談の要望があり私も宴席に出席するよう指示を受けた。このD製薬は私にとってはよく知った会社だった。私の母方の祖父がD製薬の3代目?の社長会長を務め、私の父もそこで働いていたからだ。そんなことから自分が就職先を選ぶ際にはD製薬のような仕事はやりたくないと思い違うタイプの会社を選んだ。しかし入社して数年してから製造工程で使用するある原料をD製薬から購入している事を知ることになった。D製薬との宴席では先方の社長以下4名の人が来られ、こちらもビジネス部門の取締役や購買部長を含め5名が出席した。勿論私は末席で小さくなって座っていた。しかしこの席では私は「話のネタ」にされる運命にあった。私の祖父がいかに立派であったかをD製薬の社長さんが延々と話をすると、こちらの取締役も私が新進気鋭のエンジニアであるといった持ち上げ方をして、場が盛り上がるという状況になった。そのうち宴席の後半では先方のトップから酒を注いでもらい、自分の祖父や父がどのように働いていたかを聞かされることにもなった。何か自分のルーツの事を聞かされるというのは少し気恥ずかしいような気持もあったが興味深かった。その後私がビジネス部門のトップにいる間まで、不定期にD製薬の人と面談をする機会は続いた。勿論ビジネスは是々非々でやるものだし特別の依怙贔屓などをするわけではないが、「つかず離れず」の関係は続いた。結局D製薬のような祖父―父の流れには絶対乗らないと決めて入った会社だったが、いわゆる「腐れ縁」は最後まで続いた。

D製薬とは「つかず離れずの関係」が続いた。祖父~父からの「腐れ縁」

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